10月度Vege懐石
「秋の和風 プレート」
豊かな実りの季節です。秋野菜を盛り込んだ「秋の和風プレート」は、
いかがでしょうか。
【1】 里芋の 炊きおこわ
米の上に里芋を載せて炊いたおこわは、もっちりとして とても美味しい。
“おこわ”になります。秋には欠かせない“里芋ごはん” お月見のころにどうぞ!
【2】 大豆の すり流し汁
大豆を粗めにつぶして汁に加えると、コクの有る風味が引き立ちます。
豆腐も味噌ももとはといえば大豆ですから、ひと椀の中に
大豆の栄養がいっぱいです。
【3】 八目 豆(はちもくまめ)
大豆は和風に煮炊きするとしみじみとホッとする味わいになります。
大皿に盛って、おもてなしも料理としても、よいですね。
【4】 ごぼう サラダ
きんぴらごぼうをたくさん作ったら、是非これも作ってみてはどうですか !
マヨネーズと和えるだけでの簡単サラダに、きんぴらが変身です。
【5】 れんこん ボール
れんこんのすりおろしに、玄米ご飯を加えてもっちり。
生姜を利かせた“くずあん”をたっぷり絡めてどうぞ。
【6】 かぶの 塩麹漬
柔らかな小かぶを塩麹に漬けて、野菜と麹の甘みがさっぱりして美味しい。
【7】 そばがき ぜんざい
そば粉を熱湯で練ったものを“そばがき”という。
手作りあんこをかけて素朴な味わいをどうぞ。
◇10月度Vege懐石の 食 材 より
〔大豆〕
古くから五穀の一つとして、また動物性食品に代わる「畑の肉」として
重要な食品である。組織自体が非常に固く消化が悪いので、
消化吸収をよくするための加工法(豆腐、納豆、味噌、醤油など)が
工夫されてきた。
※ 大豆が「畑の肉」と言われるのはなぜ ?
日本人は穀物中心で動物性食品の少ない食事を摂取して
きました。そのような中で、大豆はたんぱく質、脂質ともにその
含有量が多いことから、動物性食品に代わるものとして「畑の肉」
と呼ばれてきました。大豆たんぱく質にはコレステロール低下作用が
あること、また大豆油中には、血中コレステロールを下げるリノール酸
が多く含まれることなどが、動物性食品と大きく異るところです。
日本人の主要なエネルギー源となる食品は穀物。中でも主に
米ですが、この米に不足するアミノ酸のリジンを大豆は多く含んで
います。このことから、米と大豆を一緒に食べることは、たんぱく質の
栄養価を高める良い組み合わせと言えます。
・種 類:
粒の大小、産地などによって様々な品種があるが、種皮の
色によって黒大豆、黄大豆、青大豆に分けられる。
・産 地:
現在、日本で消費されている大豆は、主にアメリカ、中国、ブラジル
から輸入され、その割合は全消費量の95%を占めるまでに
なっている。
一般的に、アメリカ大豆は含油量が多く、中国大豆は炭水化物が
多いため組織が滑らかである。国産大豆は蛋白質を多く含み、
脂肪、炭水化物の含量が適度のことから煮豆など非加工品として
人気が高いが、価格、供給に不安定要素が多い。
国産大豆の主な産地は、北海道、東北地方。
・加工品:
大豆に含まれる栄養素の特徴を生かし、豆腐、油揚げ、豆乳、
味噌、納豆、油脂、醤油等様々な加工品がある。
・調理法:
大豆の3~4倍量の水に一晩漬け、大豆のシワがすっかり伸びて
楕円形になったら茹でる。大豆を茹でて缶詰にした水煮缶詰は、
ほとんど調味がされていないので、手軽に利用できる。
料理に幅広く利用できるのは黄大豆で、茹でたものを煮豆、
五目豆、呉汁、サラダ、鶏肉との炒め煮に使う。
青大豆はひたし豆、うぐいすきな粉に、黒大豆はおせち料理の
黒豆として欠かせない。栃木では、正月の塩鮭、節分の大豆を
酒かすで煮た「しもつかれ」が名物。
〔そ ば〕
生育期間が短く、やせた土地でもよく育つので、飢饉に備える
作物として古くから利用されてきた。
夏に白い花が咲き、秋に三角すいの実をつける。
・産 地:
長野、北海道など
・旬:
収穫時期により夏そば、秋そばがあるが、収穫、味、香り、色とも
秋そばのほうが良い。普通新そばという場合、秋そばのことを指す。
◇そば 粉
種実を脱穀した丸抜きを製粉したもので、独特の香りがある。
製粉の段階によって一番粉から四番粉まで取ることができる。
中心部だけを挽いた一番粉、主として内層部(更科=さらしな)
は色が白く、良質なそば粉とされるが、香りは少ない。
二番粉(主として中層部)は一番粉に比べ皮、ぬか、胚芽を
多く含むので、栄養価が高い。そば粉は用途に応じて混合して
使われることが多い。
◇そ ば
そば粉をこねて薄く伸ばし、細く切ったもの。
この工程を「そばを打つ」という。
そば粉は、小麦粉のようにグルテンを形成しないため、
粘りがない。このため、つなぎとして小麦粉、卵、山芋などを
加える場合が多い。ちなみに「二八そば」とは、小麦粉2割、
そば粉8割で打ったそばという意味である。
そば粉を熱湯で練ったものを そばがき という。
〔か ぶ〕
晩秋から初冬にかけてが 旬。
春の七草のひとつにある 「すずな」 はかぶのこと。
原産地は中央アジア説と、ヨーロッパ説とあり、日本に
伝来したのは、東日本に分布する ヨーロッパ型。西日本は
アジア型が定着。品種改良されて、白かぶ、赤かぶ、青かぶ、
大かぶ、中かぶ、小かぶという分け方もある。
温海かぶ(山形県の山間部の焼け畑で生産)、
聖護院(京都の千枚漬け)、滋賀県の日野菜(日野桜漬)
など有名である。
保存は根を切り(水分の蒸発が激しい)、葉も落として別々に
保存するとよい。 葉のほうが栄養価が高い。